今村証券のDXの取り組み

経営者メッセージ

当社は、昭和46年のリコーのオフコン1号機「RICOM 8」の導入を皮切りに、IBMシステムを活用した支店オンライン化・デジタル化を推進し、自社のシステム開発を通じて業務効率化と営業基盤の拡大を実現してまいりました。

この取り組みは、自然な流れで当社の企業文化として定着し、時代の変化に柔軟に対応する力を育んできました。インターネット革命によるディスラプションも、ネット取引サービスの開始やインターネット技術の業務活用を通じて乗り越え、デジタル技術を活用した価値創造に挑戦してきた歴史を持っています。


現在、AI技術やクラウドサービス、量子コンピューター、ブロックチェーンといった新しい技術が台頭し、さらなるディスラプションを生み出す可能性がある中で、当社はこれらの技術を前向きに受け止め、学び続ける姿勢を貫いております。

特に、AIを単に人間を置き換えるものとしてではなく、「インテリジェンス・アンプリファイド(IA)」の考え方に基づき、人間の知識や意識を拡張するために活用することで、判断の即時性や正確性を向上させ、他社とは異なる価値を創造することを目指しています。


これからも地域社会に貢献し発展し続けるため、DXを経営の重要な柱として位置づけ、持続可能なサービス提供と安定した収益基盤の拡大に努めていき、皆様からのご支援を賜りながら、革新と成長を続けてまいります。

代表取締役社長

今村直喜

DXビジョン

デジタル技術の急速な進化による顧客ニーズの多様化や、地域金融を取り巻く競争環境の激化を、当社のビジネスモデルを進化させる重要な『機会』と捉えています。

当社は、北陸三県に跨る店舗網を活用した地域密着型の対面営業を強みとし、この強みとDXを融合することで、対面とデジタルの双方の利点を活かした高度な顧客サービスを提供し、地域のお客様との信頼関係のさらなる深化を目指してまいります。

ビジネスモデルの方向性

当社は、データ分析基盤の整備およびAI技術の活用により、顧客データや取引データを多角的に分析し、精緻なマーケティングおよびパーソナライズされたサービス提供を実現することで、地域のお客様一人ひとりに寄り添った価値創出を推進することを目指しております。

「対面信頼関係」と「顧客データ」の融合を重視し、それらを組み合わせることで顧客の期待を超えるサービスや価値を創出します。これによって地銀に並ぶ経営基盤の確立を実現するとともに、持続的な競争優位性を確立します。

DX事業戦略|3つの取り組み

DX戦略1:データ分析・利活用を経営に活かし意思決定を高度化

社内に分散して蓄積されているあらゆるデータをより有効活用するため、データレイク実証実験を行っています。

これにより構造化・さまざまなデータを一元的に蓄積・管理し、BIツールやAIの分析能力を強化することで、データ分析・利活用による経営(データドリブン経営)を実現し、営業活動や財務管理を含めた意思決定を迅速かつ正確に行う体制を構築しています。

DX戦略2: お客様への情報提供の向上とそれによるお客様エンゲージメント強化

当社では、お客様との信頼関係をさらに深めるため、スマートフォンアプリ「iPortal」の機能拡張を進めています。電子交付対象帳票を増やし、プッシュ通知機能を活用することで、お客様に対する即時的な情報提供を実現し、利便性の向上を図ります。これにより、お客様エンゲージメントを強化し、お客様からの信頼を一層深めるとともに、長期的な関係構築を目指しています。

DX戦略3: 社内業務効率化と生産性向上

DXを通じて、社内業務の自動化・効率化を進め、社員一人ひとりが価値創造活動に集中できる環境を整備しています。ツール導入の目的を「単なる管理」から「業務変革」にシフトさせることで、会社全体の生産性向上を目指しています。DX推進部門である情報システム部が主体となって業務フローを聞き取り、現状の業務をペーパーレス化やRPAによる手入力の自動化していきます。またAIを利用したエージェントの構築実験を行い、生産性向上につなげます。

DX戦略の推進に向けた体制・組織

当社のDX推進体制は、経営と現場が一体となるDX戦略が取り組めるように代表取締役社長を中心とした取締役会や四半期ごとに開催される全体会議が中核を担っています。特にこの全体会議では、各部門の責任者がシステム開発の進捗状況を報告し、代表取締役社長およびDX推進部門である情報システム部が開発の優先順位や方向性を決定します。このトップダウン型の意思決定プロセスにより、経営と現場が一体となってDX戦略を進める仕組みを確立しています。

DX推進に向けた人材育成への取り組み

当社では、DX推進を支える人材育成を重要な課題と捉え、社員のスキル向上に向けたさまざまな取り組みを実施しています。具体的には、基本情報技術者試験をはじめ、CCNAネットワークスペシャリスト試験情報セキュリティマネジメント試験情報処理安全確保支援士など、DX化を推進する上で必要な専門知識や技術を習得できる資格取得を積極的に支援しています。


資格取得を奨励するため、当社では自己啓発資格取得補助制度を導入しており、一定の資格を取得した社員には資格手当を支給するなど、社員の学びをサポートする体制を整えています。これにより、社員一人ひとりが専門性を高め、DX推進に必要なスキルを備えたプロフェッショナルとして活躍できる環境を提供しています。


また、研修体制の充実にも力を入れております。外部講師を招いたネットワーク研修や、金融ISACのスキルアップ勉強会を通じて、最新の技術動向やセキュリティ対策に関する知識を習得する機会を提供しています。これらの研修は、社員が実践的なスキルを身につけるだけでなく、DX推進を支える専門人材としての成長を後押しするものです。

DX戦略の環境整備

当社は中期経営計画に基づき、継続的なシステム投資を実施していきます。


【データ分析・利活用を経営に活かし意思決定を高度化のために】

2025年度にシステム刷新に向けた基本方針を策定し、2025年度中にBIについて次期システムの方向性を決定いたしました。そして、2026年度中にBIデータの基盤や分析の核となるデータレイクおよびデータウェアハウスなどのクラウドサービスを採用・整備します。


【お客様への情報提供の向上とそれによるお客様エンゲージメント強化のために】

iPortalのバックエンドとなる基盤の整備や、顧客データを安全に扱うための認証基盤の強化、あるいは拡張性の高いクラウド基盤への移行します。


【社内業務効率化と生産性向上のために】

業務フローをデジタル化・自動化する環境を整えます。さらに、最新の生成AI等の技術を安全に試行できるAIエージェントの構築実験用環境を整えます。


DX戦略達成指標

当社ではDX戦略の達成指標として以下の3つを設定しています。


【データ分析・利活用を経営に活かし意思決定を高度化のために】

2025年度中にデータレイク実証実験を完了し、BIをデータレイクに移行しました。2026年度中にデータレイク上のBIデータをAIで分析・予測するシステムを稼働いたします。


【お客様への情報提供の向上とそれによるお客様エンゲージメント強化のために】

スマートフォンアプリ「iPortal」の機能拡張を進め、お客様に対する即時的な情報提供を実現し、利便性の向上を図り、2027年度末には2.9万人、2028年度末までに3.5万人の登録、利用を目指します。


【社内業務効率化と生産性向上のために】

2025年度残業削減 60時間/1人を実施済。2026年度は本・支店の業務を効率化に取組み残業削減 20時間/1人を達成します。